食卓の定番
有明海には、アカシタビラメ、ムラサキシタビラメ、シマウシノシタ、イヌノシタの4種類のウシノシタ類(シタビラメ)が生息しています。4種類どれもを、地元の人々は「くっぞこ」と呼び、愛して止みません。「くっぞこ」は靴の底という言葉が訛ったといわれており、靴底のような形をしていることから呼ばれるようになりました。
くっぞこは、主に刺身、煮付け、唐揚げ、ムニエルで調理され、肉厚な身にしっかりと味の染んだ煮付けは特におすすめ。あっさりと淡白なようで、実は濃厚。産卵期には卵も入り、また絶品の一品となるのです。
くっぞこ料理にはこんな昔話も残っています。 昔々、瀬高に政という人がいました。ご家中(柳川市城内地区)に日雇いに行く度に「給金ないらんけん白飯にくつぞこの色つけがよか(給料はいらないから、白ご飯にくちぞこの煮付けが良い)」と望んでいました。そこから「瀬高政」という言葉ができ、白ご飯とくちぞこの煮付けを食べることを「瀬高政」というようになりました。 くっぞこは、柳川の食卓に欠かせない、昔からの定番料理なのです。